ケンタロウのメモ

内容薄めです。

VRアートとNFTについて

最近OculusQuest2を買った。
この記事を見てVRアートに興味を持ったのがきっかけだ。

www.itmedia.co.jp


僕は2007年から数年間ほど、SecondLifeにはまりネトゲ中毒だった。

SecondLifeでは主にものづくりをやっていた。アバターが装着できる服や髪を作り、それ売ってSecondlife内の通貨(リンデンドル)を稼ぎ、複数の土地やショッピングモールを借りて自分の家や店をかまえていた。

Secondlifeの面白かったところは、ものづくりの自由度が異常に高いところである。

服をつくる場合、Blenderなどの3Dソフトでスカルプと呼ばれるパーツをつくり、そこにフォトショップGimpでつくったテクスチャーを貼り付け、Secondlife上でアバターに装着させ服を完成させる。僕が服屋を引退した後はスカルプにボーンを設定してアバターの動きに追随させるのが当たり前になっていた。建物や家具だと、上のような工程でパーツをつくった後、アニメーションやスクリプトをしこむ。

なので、ものづくりに参画するための技術的ハードルは結構高い。Blenderとかそんな簡単なツールじゃないのだがまずこれがさわれないと始まらない。

しかしマスターすれば、リアルではできないものを作ったり、あるいはリアルにあるものをかなり精緻に再現したりできる。ホグワーツ城とかあったし、僕は高円寺SIMにコメダをつくったりしていた。


Secondlifeで好きだったSIMに、モンサンミッシェルを完全再現した場所があった。

メタバースなので当然自分のアバターモンサンミッシェルを歩けるし、写真をとったり道沿いの店で買い物したりできる。

そのSIMは本当によくできていて、僕は一度リアルでモンサンミッシェルに行ったことがあるが、入り口の感じとか修道院に繋がる階段の感じとかがリアルで、ちょっとした海外旅行気分を味わえた。

Mont saint Michelwww.flickr.com


ただし、これを作り上げるのには相当な労力がかかっただろうと思う。

壁や石畳のひとつひとつ、道端に生える草ひとつ、バリエーション毎にテクスチャーを作りそれをアップし、Secondlife内でオブジェクトに貼り付け設置する の繰り返しである。(全部手作りではなく他のクリエイターから買ってきたものもあるだろうが)なおSIMには設置できるオブジェクト数に限りがあるため、いかに少ないオブジェクト数で表現するかも考慮の必要がある。


前置きが長くなったが

VRアートが面白そうだと思ったのは、Secondlifeだと相当な労力がかかる表現がより直感的にできるんじゃないかと思ったからだ

www.youtube.com


この大仏も、最初の画像はすごいが、作り方はシンプルだし直感的である。まぁ凝り始めてもっと表面の質感とか書き込みを増やすときりはないと思うが、照明などで十分それらしくなる。使ってるペイントソフトはgoogleのTiltbrushというもので、Oculusストアから購入できる。

opensea.io

例えばこのせきぐちあいみさんのアート、Secondlifeでも作れると思う。ただ、Secondlifeのほうが手間かかるかなぁーとは思う。

漫画家の方が3Dで家や街をつくってキャプチャーを背景画像に使うっていうのを以前見て、面倒なことするもんだなぁと思ったが、Tiltblushで書けばスピードアップできるんではと思う。



ところで、冒頭のニュースでもう一つ興味を持ったのがNFTである(やっと本題である)

NFTとは、Non-Fungible Token、代替のきかないトークン である。

まずFT(代替可能なトークン)だが、例えばこれは1万円札が該当する。1万円札は別の1万円札に交換することもできるし、他の1万円分の価値をもつ品物や商品券などに交換することができる。

つまり代替可能である。1万円札が1万円の価値を持つことは日本国が保証してくれている。


しかし、例えばその1万円札が「ドラマ北の国から田中邦衛さんが撮影につかった泥のついた1万円札」だったらどうだろう

見た目は他と同じ1万円札であってもマニアから見ればそれ以上の価値のある、唯一無二の1万円札となる。この時、「ドラマ北の国から田中邦衛さんが撮影につかった泥のついた1万円札」であるというメタ情報を証明するのが、NFTである。鑑定書のようなもの、というのが近いかもしれない。このメタ情報は改ざんを防ぐためブロックチェーン上で管理される。


この仕組みを利用して価値が高まってきているものの一つがVRアートだ

物理的な絵画と異なり、デジタルデータは容易に丸ごとコピーができるため、これまであまり価値が上がらなかった。しかし、NFTによりオリジナルであることの証明ができるため、「アートを保持する」ということが可能となった。

NFTによりオリジナルの証明がされていても、アートそのものがコピー可能であることは代わりないので、アートの保持自体の意味合いはあまりないと思うけど、NFTは売買が可能なので、アートを資産として保持し価値があがったら売却する といったことが可能なのかなと思う。


NFTの特徴には以下3つが挙げられる

相互運用性

NFTの仕様が共通規格によって定められているため、特定のプラットフォームだけでなく、他のプラットフォームでも有効となるらしい。たとえばポケモンGOでゲットしたレアポケモンはいまのところポケGOでしか価値がないけど、NFTによって証明され、他のプラットフォームでも取り扱うようになれば、たとえばドラクエでそのレアポケモンをつかって戦ったりできる みたいなことかな?

共通規格は、たとえばイーサリアムだとERC721が該当する。

ERCとはEthereum Request for Commentsのことで、イーサリアムのスマートコントラクト内でNFTを扱うことを可能とするものである。NFTの最初の活用事例としてよくあがるCryptokittiesというゲームや上述のせきぐちあいみさんのアートが取引されたOpenseaという取引所もERC721に準拠しているようなので、いまのところこの規格が一番事例があるようだ。

ここで議論されている
github.com


取引可能性

相互運用できるので他プラットフォームで取引もできる。Openseaで購入したアートを他の取引所に出品するときも、変わらずNFTで価値が証明される、ということかな。


プログラマビリティ

急にちょっと理解が苦しい内容だが、NFTには様々な付加機能をデータそのものに持たせられるらしい。例として、たとえばNFTの取引の都度アート作者に取引手数料が入るような処理を組み込むことができる、らしい。アートとかゲームの分野だとユースケースのイメージがあまりわかないが、例えば不動産の管理をNFTで実施するとき、オーナーの譲渡により発生する税金や手数料などを自動で処理する、といったことを想定しているのかもしれない。


参考 : 突然話題になったデジタル資産「NFT」とは何か--暗号資産との違いや注意点は - CNET Japan


ひとまず、Tiltbrushでなにか描けたら、勉強がてらOpenseaに出品してみようと思う。